ニキビの炎症がひどくなったあと、たとえニキビの炎症が収まっても残ってしまいがちなのが「ニキビ跡」です。

お化粧のたびにコンシーラーで赤みを隠したり、ヘコみを埋めたりと、お悩みの方も多いかと思います。

ニキビ跡は新陳代謝がたくさん行われないとなかなか治らないため、消えるまで時間がかかったり、場合によっては一生残ってしまうことも。

このコラムではそんな頑固な「ニキビ跡」について、その種類と原因、そして確実な治し方を解説していきます。

お顔に残ってしまったニキビ跡を治療して、つるつるなめらかな美肌を取り戻しましょう。

あなたのニキビ跡はどのタイプ?ニキビ跡の種類とできてしまうメカニズムと治し方

ニキビ跡の治し方を知るには、まずはあなたのニキビ跡の正体とできた原因を知りましょう。

原因を理解することで、治療の手助けになるのはもちろん、今後再発を防ぐヒントになります。

赤みタイプのニキビ跡

赤みのニキビ跡

ニキビ跡でよく見られるのが、ニキビ跡として残った赤みです。皮膚科では炎症後紅斑(えんしょうごこうはん)とも呼びます。

一見ニキビが炎症を起こしている「赤ニキビ」にも似ていますが、痛みや腫れなどがなく、炎症が収まっている状態であればニキビ跡となっている可能性が高いです。

赤みタイプのニキビ跡になるメカニズム

ニキビ跡の赤み

赤みタイプのニキビ跡は、ニキビが炎症を起こして炎症が広がったことで、肌の奥の毛細血管が新たに作られ拡張され、薄くなった皮膚に透けて見えている状態です。

肌の奥で炎症がくすぶっているような状態と言い換えることもできます。

赤みタイプのニキビ跡の治し方

赤みタイプのニキビ跡は、ニキビ跡の中では比較的軽症で、お肌の細胞の新陳代謝(ターンオーバー)によって徐々に薄くなっていく可能性があります。

しかし肌の新陳代謝のサイクルは、加齢によって少しずつ遅くなります。一番細胞の入れ替わりが活性化されている十代でも約28日かかり、二十歳すぎくらいからどんどん遅くなっていきます。

自力でキレイになるまでは数ヶ月~年単位で時間がかかるため、早く治すためにはターンオーバーを促進したり赤みに直接アプローチするような治療が重要になります。

色素沈着タイプのニキビ跡

色素沈着タイプのニキビ跡

続いて「色素沈着」タイプのニキビ跡を解説します。

色素沈着によってできたニキビ跡は、赤~茶色になって肌に長く残ります。

「炎症性色素沈着」と呼ばれる症状です。

色素沈着タイプのニキビ跡になるメカニズム

色素沈着タイプのニキビ跡になるメカニズム

ニキビの炎症が起きた際、肌が炎症から細胞を守ろうとしてメラノサイトという色素細胞が「メラニン」という色素を作り出し、それが肌の奥に残ってしまう(沈着してしまう)ことで生まれます。

「メラニン」と聞いてピンと来た方もいらっしゃると思いますが、これは紫外線によって起きる「シミ」と似たメカニズムです。シミも、紫外線などの外的刺激から肌を守ろうとしてできたメラニンが、肌に残ることで茶色く残った状態です。

色素沈着タイプのニキビ跡の治し方

シミをイメージすると想像が付きやすいと思いますが、色素沈着タイプのニキビ跡はセルフケアだけで治すのはなかなか難しいです。

色素沈着はメラニンが滞っている状態なので、赤みと同様に肌のターンオーバーで少しずつ薄くなることも考えられます。

しかし、ニキビが悪化して炎症が真皮層にまで達していた場合、ターンオーバーは表皮でしか行われないため、細胞が生まれ変わるのが難しくなってきます。

そのため、色素沈着タイプのニキビ跡をキレイにするためには、肌に沈着してしまったメラニンの生成を抑え、除去したり、肌のターンオーバーを促進したりする治療が必要になります。

クレータータイプのニキビ跡

ニキビのクレーターの種類

ニキビ跡のお悩みの中でも特に深刻なお悩みなのが、「クレーター(陥没)」タイプです。

ニキビの炎症が治った後も傷あとのように肌の表面がヘコみとなって残ってしまい、再生できなくなってしまっている状態です。

セルフケアで治すのは非情に難しい症状ですが、医療の力で改善することは可能なので、諦める必要はありません。

クレータータイプのニキビ跡のメカニズム

クレータータイプのニキビ跡のメカニズム

クレーターのニキビ跡は、ニキビの炎症がひどくなって真皮層まで達してしまったり、ニキビを潰して傷が広がってしまったケースで起こります。

傷つけられた皮膚組織が肌を修復しようとコラーゲンを生成しますが、その際、過剰にできてしまったコラーゲンが癒着して皮膚を硬くしてしまったことで、そのままヘコみとして定着してしまったのがクレーターです。

その程度や成り立ちによって種類があります。

●アイスピック型

アイスピック型

氷を砕くアイスピックのような細い棒で刺したように鋭く深い凹み

●ローリング型

ローリング型

楕円状に緩やかに凹んでいる。癒着により引っ張られているような状態

●ボックス型

ボックス型

垂直で角が残っているような凹み

クレータータイプのニキビ跡の治し方

肌のターンオーバーは真皮ではほとんど行われないため、自力で治すのは非常に難しいと言わざるを得ません。

しかし美容皮膚科であれば、再生治療やコラーゲンの生成を促進する治療によって改善させることができます。

フェミークリニックで受けられるニキビ跡治療

ケミカルピーリング

ケミカルピーリング

適したニキビ跡:赤み・色素沈着

酸の力で古い角質や汚れを除去し、ターンオーバー(お肌の新陳代謝)を整える治療方法です。

赤み・色素沈着タイプのニキビ跡治療に最適です。

また、他の治療と組み合わせることで相乗効果が期待できるため、ニキビ・ニキビ跡治療の他に、毛穴の開き、くすみ、しわの治療にも効果を発揮します。

施術中の痛み チリチリとした感覚があります
施術時間 20~30分
ダウンタイム なし

光線治療(クロモライト)

光線治療

適したニキビ跡:赤み・色素沈着

パルスライトによる光エネルギーと高周波を利用して、お肌の真皮層に働きかえる最新の美肌治療機器です。

クロモライトには、赤みやメラニン色素を除去し、コラーゲンを活性化させる効果もあります。

施術中の痛み ゴムでパチっと弾かれたような軽い痛み
施術時間 20~30分
ダウンタイム なし

レーザートーニング

レーザートーニング

適したニキビ跡:色素沈着

「メドライトC6」という特殊なレーザーを使用し、メラノサイトを刺激することなく皮膚のメラニンを除去します。

継続して治療を行うことで、トラブルが起きにくいお肌へ生まれ変わります。

施術中の痛み チクッとした痛みを感じることがあります。
施術時間 20~30分
ダウンタイム なし

コラーゲンピール

コラーゲンピール

適したニキビ跡:陥没(クレーター)・毛穴の開き

表皮剥離を起こさず、お肌の真皮層深層に作用しコラーゲンの生成を促進。ニキビ跡の凹みをお肌の内側から持ち上げるピーリング治療です。

お肌への負担やダウンタイムがほとんどないため、敏感肌の方も気軽に施術を受けていただくことが可能です。

施術中の痛み なし
施術時間 15~20分
ダウンタイム なし

TCAピーリング

TCAピーリング

適したニキビ跡:陥没(クレーター)

ケミカルピーリングの中でも最もピーリング効果の高い治療で、コラーゲンの生成を促進し、クレーター状に陥没したニキビ跡の凹みを浅く目立ちにくくしていきます。

細長い凹みからなるアイスピック状のニキビ跡にも効果が期待できます。

施術中の痛み 麻酔を塗布するため、痛みはほとんどなし
施術時間 15~20分
ダウンタイム 施術翌日から1~2週間かけてかさぶたが剥がれていきます。かさぶたが完全に剥がれた後も、1か月程度赤みが残ります。

PRP治療(再生治療)

PRP治療・ACRS

適したニキビ跡:色素沈着・陥没(クレーター)

血小板を多く含む血液をお肌に注入し、細胞を活性化させます。お肌の再生を促すことで、ニキビ跡を改善できる方法です。

患者さまご自身の血液を注入するため、副作用の心配はありません。

施術中の痛み 痛みを和らげるために塗る麻酔を使用します。
施術時間 60~120分
ダウンタイム 1~2日間、腫れや赤み・むくみ・内出血が起こる場合があります。

ダーマペン

ダーマペン4

適したニキビ跡:色素沈着・陥没(クレーター)・ニキビ・毛穴・しわ・たるみ

髪の毛よりも細い16本の細かい針でお肌に穴をあけ、創傷治癒効果によりお肌を再生させてクレーター状のニキビ跡を改善していく治療です。

開けた穴に成長因子を浸透させることで、コラーゲンやエラスチンの増殖が促されてより美しい肌へ導くことができます。

施術中の痛み 麻酔を塗布するため、痛みはほとんどなし
施術時間 15~20分
ダウンタイム 1~2日間腫れや赤みがでる

ダーマペン+PRP治療『ヴァンパイアプログラム』

適したニキビ跡:ニキビ跡 毛穴 しわ・たるみ シミ

自己血小板による自然治癒力を利用したPRP治療と創傷治癒力を利用したダーマペンのダブルアプローチで、深刻なニキビ跡・毛穴のお悩みを改善するフェミークリニックオリジナルのプログラムです。

施術中の痛み 痛みを和らげるために塗る麻酔を使用します。
施術時間 60~120分
ダウンタイム 1~2日間、腫れや赤み・むくみ・内出血が起こる場合があります。

フォトSR

フォトSR(AC)

適したニキビ跡:赤み・色素沈着

青色の光と赤色の光をお肌に照射することによって、赤みのあるニキビ跡を改善する治療です。

ニキビ跡の赤みは、肌内部の炎症が原因の1つです。アクネ菌の殺菌効果と抗炎症作用があるフォトSRの治療を行うことで、肌内部の炎症を鎮静化させ、ニキビ跡の赤みを除去することが可能です。

施術中の痛み 痛みは軽くはじかれる程度です。
施術時間 20~30分
ダウンタイム なし

ニキビ跡の予防のためにはニキビを早期に治すことが重要!

ニキビ

ニキビがニキビ跡として残ってしまうケースは、ニキビが重症化して「炎症」が起きてしまうことがきっかけになります。

ニキビは状態によって「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」に分類されます。

このうち、できたニキビに菌が繁殖して炎症を起こしている状態が「赤ニキビ」や「黄ニキビ」と呼ばれています。

ニキビは、炎症によって肌の細胞が傷つけられたり、毛細血管が拡張されたりすることでできてしまいます。

つまりニキビができても赤ニキビや黃ニキビになる前に治療してしまえば、跡になることはないのです。

それぞれのニキビについて解説します。

白ニキビについて

白ニキビ

毛穴は、ターンオーバーが乱れることによって影響を受け、古い皮脂を外に排出する働きが鈍るという特徴があります。

白ニキビは、そんなターンオーバーの乱れによって毛穴内に溜まった皮脂や老廃物が白く見えている状態です。

この段階では、まだ炎症が起きていないため、痛みや熱感を感じることはありません。

この状態でニキビを治せれば、ニキビ跡にならずに済みます。

大人の白ニキビは、皮脂汚れなどの詰まりのほか、うるおい不足などによる乾燥によって毛穴に蓋をしてしまっている場合があります。

白ニキビができたことに気がついたら、お肌を清潔にするとともに、いつもより念入りに保湿ケアをするように心がけると、炎症に悪化せず、ニキビ跡になる前に治るかもしれません。

黒ニキビについて

黒ニキビについて

白ニキビが酸化し、黒っぽく見える状態のニキビです。ほくろやシミのように見えます。

こちらも炎症は起きていないため、痛みや熱感はありません。

黒ニキビも、白ニキビと同じく毛穴が詰まることでできます。

洗顔をいつもより丁寧にする意識をもちつつ、保湿をしっかりするようにしましょう。

ただ、洗顔の回数を増やしたり、ゴシゴシ擦りすぎると肌に刺激が強すぎたり、乾燥を誘発してニキビが長引く可能性がありますので、十分注意してください。

赤ニキビ

赤ニキビ

古い皮脂や角質がうまく排出されずに塞がってしまった毛穴の中で、毛穴内のアクネ菌が増殖し、炎症を起こした状態です。

炎症によって痛みを感じるケースがほとんどです。

この赤ニキビの炎症が進行すると皮膚細胞は破壊され、毛細血管が拡張したり、肌を守ろうとメラニンが生成されることでニキビ跡になってしまいます。

こうなる前にニキビ治療を完了することで、ニキビ跡として残ることを防ぐことができます。

すでに進行してしまった場合も、これ以上炎症が悪化しないように清潔維持とお肌の保湿を心がけましょう。

長引きそうな場合は、皮膚科に行って抗炎症作用のある処方薬を出してもらうのが、ニキビ治療、ニキビ跡予防への一番の近道です。

黃ニキビ(化膿ニキビ)

ニキビの化膿

ニキビによる炎症がお肌の真皮層まで達したニキビの最終段階です。

炎症によって広がった毛穴の隙間に黄色い膿(うみ)が溜まって腫れあがった状態になります。

細胞が破壊されているため、クレーター状態のニキビ跡が残る可能性があります。

ほうっておくと炎症が長引き、ニキビ跡になる可能性が高まりますので、一刻も早く皮膚科を受診して処方薬を出してもらうことをおすすめします。

また、膿が気になるからといって潰してしまうのはNGです。

指先についた雑菌などが入って炎症を悪化させてしまうほか、細胞壁が壊れてクレーターなどのニキビ跡が残る可能性が高まってしまいます。

重症ニキビも早期治療でニキビ跡になるのを防ぐ

ニキビは炎症を起こす前に治してしまうことが、ニキビ跡予防のためには最も効果的ですが、もし炎症が起きてしまっても、早期に治療をすることで、ニキビ跡が重症化するのを防ぐことができます。

そのためには、セルフケアで治るのを待つのではなく、クリニックに行くのが最も効果的です。

以下の動画では、フェミークリニックの北山総院長が、重症ニキビを最短で治す方法について解説しています。ニキビ跡についても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

ニキビ跡の治し方についてよくあるご質問まとめ

よくある質問

ニキビ跡の治し方についてよくあるご質問をまとめました。

ニキビ跡はどうしたら治りますか?
赤みが残るタイプや色素沈着タイプのニキビ跡は、時間こそかかりますが、肌細胞の新陳代謝(ターンオーバー)によって自然に消えることがあります。
ただ、クレーターやしこりのようになってしまったニキビ跡は、再生医療やレーザーなどによる治療が必要です。
ニキビ跡は自然に治ることはありますか?
赤みタイプや色素沈着であれば、お肌の新陳代謝で自然と薄くなっていくことはあります。
しかし加齢によってターンオーバーの周期が遅くなっていたり、ニキビの炎症が繰り返していたりする場合は、自力での治癒は難しい場合があります。

また、クレーターのような肌の変形を伴うニキビ跡は、クリニックで治療を受けないとキレイに治すのは困難です。
ニキビの赤みはいつまで経っても消えない?
赤みや軽度の色素沈着など、お肌の表皮にできているニキビ跡は、健康的な若い肌であれば28日周期のターンオーバーで徐々に薄くなっていきます。
しかし、加齢や生活習慣によるターンオーバーの乱れによって、肌の生まれ変わりが遅くなっている場合は、数ヶ月~数年かかることもあります。

しかしニキビの炎症が真皮層にまで達している場合は、真皮はターンオーバーをほとんどしないため、自然に消えるまで数年かかるか、ずっと残る可能性もあります。

自力で治すのが難しいニキビ跡は、ダーマペンをはじめとするクリニックの治療で治すことができます。

その場合は、お悩みや治療メニューによって変わってきますが、数週間~数ヶ月に1度のペースで、複数回通うことでニキビ跡を治療することができます。
ニキビ跡になる原因はなんですか?
ニキビ跡は、ニキビによる肌の炎症によって生まれます。
ニキビ跡の種類によって異なりますが、ニキビの炎症によって毛細血管が拡張されたり、肌細胞を炎症から守るために生成されたメラニン色素が、肌に沈着してしまうなどの原因が考えられます。

またニキビの炎症が悪化して真皮まで達して細胞壁を壊してしまったり、ニキビを潰して傷が広がってしまったことでクレーターのように傷が残ってしまうこともあります。

そうならないために、炎症が起きたニキビは早期に炎症を抑えましょう。
クレーターとして残ってしまったニキビ跡の治し方は?
クレーターのようになってしまったお肌も、クリニックなら治すことができます。
代表的な治療メニューは肌本来の治癒力を活性化させる「ダーマペン」です。

ダーマペンは、髪の毛より細い超極細針で表皮層に無数の穴を開けて、その傷を治そうする力によってコラーゲンやエラスチンといったお肌の修復に欠かせない成分を大量に生成する治療法です。

赤みや色素沈着のニキビ跡はもちろん、クレーターのニキビ跡も改善する効果があります。

また、毛穴のたるみや開きも改善し、美肌を作る効果があります。