口周りのニキビは、思春期はもちろん、大人になってからもできやすいニキビであり、突然増えたりするのも特徴のひとつです。

口周りにニキビができると、見た目が気になるのはもちろん、痛みや違和感も伴うため、ご飯を食べたり会話をしたりする際に気になるなど、日常生活に支障をきたすこともあります。

そこでこの記事では、急にできやすい口周りのニキビの原因と効果的な治療法、予防方法を詳しく解説します。ニキビの原因を理解するとともに、日常的なアプローチから医療アプローチまで口周りのニキビの悩みを解消する方法を知って、健やかで美しい肌を目指しましょう。

口周りのニキビが急にできる原因

口周りにニキビが急にできる原因は、ホルモンバランスの乱れ、食生活の乱れによる胃腸の不調、不規則な生活習慣、ストレスなど、多岐にわたります。これらを理解して対処することで将来的な発生を予防したり、出来てしまったニキビをなるべく早く沈静化することが可能です。
それぞれ詳しく解説していきます。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れ

口周りは二次性徴を過ぎると髭が生えて来ることから分かる通り、ホルモンの影響を受けやすい箇所です。そのため、口周りのニキビは、ホルモンバランスの乱れが原因の一つとなることが多いといえます。
 
思春期におけるホルモンの変化、日々のストレスによるホルモンバランスの乱れ、女性は生理周期によるホルモンバランスの変化などにより、普段より男性ホルモンが優位になると、口周りなど特定の部位の皮脂腺の活動が活発になったり、肌細胞の生まれ変わりである「ターンオーバー」の周期が乱れたりします。
その結果皮脂が毛穴に詰まりやすくなり、ニキビの発生へと繋がります

特に女性は、月経前や妊娠、更年期などの生理的変化でホルモンバランスが大きく変動し、ニキビをはじめとする肌トラブルが現れやすいため注意が必要です。

胃や腸の不調とその影響

胃や腸の不調とその影響

口周りに急にニキビができた場合、胃や腸の不調も原因となっている可能性があります。
体調不良や暴飲暴食、ストレスなどによって胃腸の働きが鈍ると、消化がうまく進まずに老廃物・有害物質が腸内に溜まるようになります。
それらの腸内の有害物質は血流によって体内に運ばれ、皮膚などの不調にも繋がるのです。
特に口は胃や腸とも一直線につながっているため、胃腸の不調は口周りの肌荒れやニキビとして現れやすいといわれています。

摩擦や肌への刺激

摩擦や肌への刺激

また口周りは、日々の生活の中で刺激や摩擦を受けやすい箇所です。
汚れや菌の付着でニキビの原因となるアクネ菌が繁殖したり、刺激や摩擦によるバリア機能の低下により、ニキビができやすくなります

具体的には、以下のような日常的にやってしまいがちな行為が、ニキビが発生する原因になります。

• 食べ物の汚れが付着する
• 無意識に素手で口を触ったり擦ったりする
• 髭や産毛を剃る刺激
• マスクや寝具の摩擦

皮脂の過剰分泌

皮脂の過剰な分泌も口周りのニキビが増える原因となります。油分の多い食べ物の摂りすぎやストレス、また外部刺激から身を守るために皮脂が多く分泌されることで、皮脂が毛穴に詰まり、角栓が醸成されます。
そこにアクネ菌が繁殖することでニキビが出来たり急に増えたりします

過剰なストレス

人はストレスを受けると、ホルモンバランスが崩れて男性ホルモンの一種であるアンドロゲンが大量に出ます。
アンドロゲンは皮脂の分泌を促すことに加え、男性には口もとに髭が生えやすいように、口周りは男性ホルモンの影響を受けやすくなっています
そのため、ストレスによって通常より男性ホルモンが優位になると口周りにニキビが急に発生することがあります。

口周りのニキビを効果的に治す方法

急に現れたり増えたりする口周りのニキビをなるべく早く鎮め、治すための方法は、セルフケアから皮膚科で受けられる治療まで、いくつかあります。
軽度であればセルフケアで改善が見込める場合もありますが、重度であったり頻発する場合は、医療機関を受診することをおすすめします。

生活習慣を整える

肌トラブル、特に口周りのニキビに悩む方は、日々の生活習慣が大きな影響を与えている可能性があります。
 
まずは質の高い睡眠を確保し、栄養バランスの取れた食事を心掛けてみましょう。
夜更かしをするとホルモンバランスが乱れ、肌の調子を崩す原因となります。私たちの体は、睡眠中に肌の細胞を修復する働きを行います。不規則な生活や睡眠不足はこの重要な修復プロセスを妨げ、肌に必要な栄養が行き渡らないことでニキビが現れやすくなります。
 
また、バランスの取れた食事も同様に重要です。ビタミンやミネラルなど、肌の健康を支える栄養素をバランス良く摂取することで、体内から肌を健やかに保つことができます
肌の健康を守り、口周りのニキビを予防するためには、質の良い睡眠とバランスの取れた食事が基本です。健康的な生活習慣を心がけることで、内側から美しい肌を手に入れましょう。

ビタミン類を積極的に摂る

ニキビのない健やかな肌を保つためにはバランスよく食事を摂ることは重要ですが、特にビタミンは美肌に欠かせない栄養素です。
以下は主なビタミンと、含まれる食品の一例です。食事を摂る際の参考にしてください。

名称 効果 含まれる食品
ビタミンA ターンオーバーの促進など 緑黄色野菜、牛レバー、チーズ、卵、牛乳など
ビタミンB2 皮脂の分泌量の調整など 牛肉、豚肉、納豆、アーモンド、アボカドなど
ビタミンB6 新陳代謝を促進など まぐろの赤身、レバー類、鶏ささみ、鮭など
ビタミンC コラーゲンの生成、抗酸化作用など パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツなど
ビタミンE 抗酸化作用など ナッツ類、ほうれん草、ツナ缶、豆乳など

ホームケアを見直す

炎症を起こす前の、皮脂が毛穴に詰まった状態である白ニキビ(面包)や、軽い炎症状態のニキビであれば、セルフケアでも治る可能性があります。
基礎化粧品では有効成分に注目しましょう。
殺菌成分や、抗炎症成分が配合された薬用化粧品もあります。その中から肌に合う製品を選ぶと良いでしょう。
 
ただ、炎症を起こしている赤ニキビや膿ができている黃ニキビにまで症状が進行している場合は、セルフケアで治療するのは難しくなってきます。
素早く確実に治したいのであれば、皮膚科を受診しましょう。

皮膚科を受診する

口周りのニキビで悩んでいる方にとって、自宅でのケアだけでは十分な効果が見られないことがあります。自己判断でのケアには限界があるため、そうした場合には迷わず皮膚科を受診してください。皮膚科医による診察は、肌の状態を専門的な視点から正確に評価し、個々のニキビ状態に適した最適な治療法を提案してもらえるメリットがあります。
 
一般皮膚科や美容皮膚科での治療法には、薬剤を使用した治療から、医療機器を用いた施策まで多岐に渡ります。このため、自宅でのケアでは対応できない深刻なニキビも、根本から解決へと導くことが可能です。さらに、皮膚科医のアドバイスを受けながら日常生活でのスキンケア方法や、ニキビを悪化させないための予防策も学ぶことができます。

クリニックによる治療の一例を解説します。

処方薬による治療

専門医が処方する抗生物質やニキビ治療薬は、有効成分を市販薬より多く配合することができ、ニキビに直接アプローチして素早く症状を改善します。
皮膚科の治療では、皮膚状態やニキビの程度に応じて、最適な薬剤が選択されます。そのため、自己判断で薬を使わず、必ず皮膚科医の指導のもとで治療をすすめることが重要です。

肌質改善治療(美容皮膚科)

一般皮膚科の処方薬でも改善が見られなかったり、口周りのニキビが繰り返しできてしまう場合は、主に美容皮膚科で受けられるピーリング治療や肌質改善治療がおすすめです。
 
ピーリング施術は、肌の表面に薬剤を塗布し、古い角質やニキビの原因となる老廃物を取り除きます。この治療により、肌は健康な細胞に生まれ変わり、ニキビが出にくい状態へと導かれます。
また光治療も肌質の改善に役立ちます。レーザーや光を用いて肌の深層部まで作用し、新しい肌の生成を促すことで、ニキビやニキビ跡の改善、皮脂の過剰な分泌を抑える効果が期待されます。
 
これらは基本的には保険適応外の治療ですが、肌の再生が促進され、乱れた肌のターンオーバーが正常化します。肌質が改善されることで、口周りのニキビができにくい健やかな肌へと導かれます。
 
治療を受ける際には、経験豊富な医師によるカウンセリングを受け、自身の肌質やニキビの状態に合った適切な治療法を選択することが重要です。

フェミークリニックのニキビ改善・美肌治療

フェミークリニックは2003年の開院以降、症例数21万件以上のニキビ治療を行ってきました。急にできる口周りのニキビにお困りであればぜひご相談ください。

フェミークリニックで受けられる代表的なニキビ治療を解説します。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリング

酸性の薬剤を塗り込むことで古い角質を除去し、毛穴に詰まった皮脂や汚れを取り除きます。余分な角質を除去することで、毛穴の詰まりを解消するとともに肌のターンオーバーを整え、ニキビの再発や悪化を防ぎます

光線治療

光線治療

ニキビの原因となっているアクネ菌を光で殺菌します。また、皮脂腺を破壊することで皮脂の分泌を抑え、ニキビができにくい肌へ改善します。

イソトロイン・ロアキュテイン(イソトレチノイン)

ロアキュテイン

米国のFDA(食品医薬品局)の認可を受けた『飲むニキビ治療薬』です。皮脂の分泌を抑えて、重度のニキビを内側から改善します。

ダーマペン

ダーマペン

肌表面に微細な穴を無数に空け、傷を治そうとする力を利用して肌の再生力を高める治療です。ニキビが再発しにくいキメの整った肌を実現します。

ポテンツァ

ポテンツァ

ダーマペン同様、微細な穴を肌表面に開けて治癒力を利用してコラーゲンなどの美肌成分を増やす施術です。ポテンツァではさらに針先からRF(高周波)を照射するため、ダウンタイムを抑えてより高い効果を実現します。

ゼオスキンヘルス

zoskin

医療機関でのみ処方できるスキンケアプログラムです。医療用スキンケアだからこそ配合できる高濃度のビタミンA(トレチノイン)などを用いて、ニキビのできにくい健やかな肌へ導きます。

急な口周りのニキビ予防法

口周りのニキビが急に発生すると痛みも伴うため、見た目だけでなく心理的にも大きなストレスを感じることがあります。しかし、日常生活で実践できる予防法を知って実践することで、ニキビの発生を抑え、健やかな肌を保つことができます。

正しい生活習慣を送る

正しい生活習慣を送る

急にできる口周りのニキビを予防し、健康な美肌を保つためには、日常生活の習慣の見直しが必須です。
栄養バランスの取れた食事、質の良い睡眠、適切な運動量は、肌の調子を整えるだけでなく、体全体の健康維持にも寄与します。

バランスの取れた食生活

これを摂っておけば大丈夫、というものはありませんが、ビタミンやミネラルなどの栄養素を積極的に摂取することは重要です。これらの栄養素は肌の代謝を促し、ニキビを予防に役立ちます。
糖質や脂質の摂りすぎは肌の炎症の原因となるため注意しつつ、様々な栄養素をバランスよく摂取することが肝心です。

質の良い睡眠

質の良い睡眠を確保することも健康な肌への道では非常に重要です。睡眠不足は肌の回復機能を低下させ、ニキビ悪化や新たなニキビの発生に繋がります。
夜遅くまでの活動やスマートフォンの使用を控え、心地よい睡眠環境を整えることで質の良い睡眠が得られます。できるだけ7時間以上の睡眠を確保するようにしましょう。

適度な運動

適度な運動を心がけることでストレスの発散になるとともに、血行が促進されて肌細胞に酸素や栄養が届きやすくなります。
また、適切に汗を流すことで、毛穴の詰まりの予防にも繋がります。
ただし発汗は乾燥や雑菌の元にもなるので、流れた汗はそのままにせず、適宜優しく拭き取るようにしましょう。

洗顔は丁寧&やさしく

洗顔は丁寧&やさしく

洗顔は朝と夜の一日二回が適切です。洗いすぎも肌荒れや乾燥を招くため、気をつけましょう。
また口周りは皮膚が薄く、強く擦ると肌のバリア機能が低下したり、皮脂の過剰分泌にも繋がるため、しっかり泡立てた泡で、極力摩擦が起きないように優しく洗います
 
口周りは食事の汚れやメイクの汚れが付着しやすいので、特に丁寧に洗うようにしましょう。

乾燥しないように保湿をしっかり行う

乾燥しないように保湿をしっかり行う

口周りの皮膚は薄く、乾燥しやすい部位です。皮膚が乾燥するとバリア機能が低下し、紫外線や摩擦、雑菌などの刺激に弱くなります。
また、肌は乾燥を感じると、皮脂を余分に分泌することで自身を守ろうとします。しかし、過剰に分泌された皮脂は毛穴詰まりに繋がり、ニキビと原因となってしまいます。
そういった悪循環を断ち切るためにも、普段から肌に合った基礎化粧品でしっかり保湿することが重要です。

洗顔後やお風呂から上がったあとはすぐに化粧水をたっぷり塗布し、その上から乳液やクリームを塗って水分が逃げないように蓋をしましょう。
ニキビにベタつきは厳禁と思い込みがちですが、特に大人ニキビの場合は乾燥が原因となることが多いため、繰り返し口周りにニキビができる場合は保湿に力をいれてみてください。

ストレスの管理

ストレスの管理

まず、自分がストレスを感じている状況や原因を把握することが大切です。それが仕事のプレッシャーであれ人間関係の悩みであれ、原因を知ることでそこから距離を置くための対策を立てやすくなるはずです。
 
ストレスの原因から完全に距離を置くのが難しい場合は、適度な運動や趣味を通じたリラックスタイムの確保が有効です。運動はストレス解消のみならず、血行を促進し、体内の老廃物を排出し、ニキビの原因となる毛穴の詰まりを防ぐ効果が期待できます。

また、心身のリラクゼーションを促すために、瞑想やヨガ、アロマテラピーなども有効です。これらは、ストレスによって崩れがちな心のバランスを整え、リラックスした状態を作り出します。心が穏やかな状態は、ホルモンバランスを安定させ、ニキビの発生を抑える助けになります

産毛や髭のケアに注意

産毛や髭のケアに注意

口周りのニキビに悩む人にとって、産毛や髭のケアは要注意です。不適切な処理方法はニキビの状態を悪化させる可能性があります産毛や髭の処理時には、肌への摩擦や刺激を最小限に抑えることが肝心です。シェービング時には肌に優しいジェルやフォームを使用し、肌への負担を軽減してください。処理後は保湿を行い、肌のバリア機能を保ちましょう

さらに、毛抜きでの産毛や髭の処理は避けましょう。毛穴を傷つけて炎症を引き起こし、ニキビが形成する可能性があります。最適なのは、肌に優しいシェーバーを使用し、優しく表面のみ処理を行うことです。

また、医療脱毛で顔周りの産毛や髭の処理が不要になるまで脱毛してしまうのもおすすめです
肌の総合的な治療が可能なフェミークリニックでは、ニキビ治療をしながら医療脱毛を受けることも可能です。

急な口周りのニキビはフェミークリニックへご相談ください

口周りのニキビが急に現れると、外見の悩みだけでなく心理的な負担も大きくなります。フェミークリニックでは、皮膚科専門の医師が一人ひとりの生活習慣や肌質に合わせた治療プランを提供します。

お悩みや不安をお持ちの方のために、無料カウンセリングを実施しています。この機会にぜひフェミークリニックにご相談ください。

急にできる口周りニキビのよくあるご質問

急に口周りにニキビが増える原因は何ですか?
口周りは胃や腸の不調と連動しやすい箇所です。そのため暴飲暴食やストレスなどにより胃腸の調子を崩して消化がうまくいかないとニキビができやすいとされています。

その他、ホルモンバランスの乱れやひげ剃りなどの刺激によってニキビができることもあります。

口の端にニキビができるのはストレスが原因ですか?
ストレスは口周りのニキビの原因となります。
ストレスは男性ホルモンの一種であるアンドロゲンを分泌するため、男性ホルモンの影響を特に受けやすい口周りの肌に不調を引き起こします。

またストレスにより胃腸の調子を崩すと、口周りのニキビが発生しやすくなります。
口周りにニキビができやすい食事は?
辛いものや刺激物を食べ過ぎて胃腸の調子を崩すと、口周りのニキビの遠因になる可能性があります。
また口周りに限らず、揚げ物やクリームなど脂質を摂りすぎると皮脂の過剰分泌に繋がり、ニキビができやすくなるため注意が必要です。

ただ、脂をまったく摂らないのも肌の乾燥を招いたり、ホルモンバランスの乱れに繋がったりするため、重要なのは様々な栄養をバランスよく摂取することです。

特にビタミン類は肌の調子を整えるのに重要な成分であるため、積極的に摂ると良いでしょう。