30代~40代の女性の顔に現れやすい、もやもやとしたシミ「肝斑(かんぱん)」。
お肌をくすませ、年齢を感じさせるシミであるため、治療できたらと考えている方も多いかと思います。
しかし肝斑は刺激によって悪化しやすいという特徴があるため、日頃のスキンケアはもちろん、治療の際も誤った方法による悪化に注意が必要です。
そこでこの記事では、シミ治療の症例15万件以上の美容皮膚科フェミークリニックが、肝斑を確実に治すためのおすすめの治療方法や、悪化させないために普段から気をつけるべきことを解説します。
肝斑を治療して若々しい肌を保ちたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
肝斑の基本情報
まずは、肝斑とはどんな症状か、似たようなシミとの違いについて解説します。
シミはいくつかの種類が混合して肌に現れる場合もあるので、見極めるための正しい認識を持つことが重要です。
肝斑とはどんなシミ?
肝斑は、頬骨の辺りや頬、口元にもやもやとした形で左右対称に現れるのが特徴です。この症状は、一般的に30代から40代の女性に多く見られますが、男性にも発生することがあります。
メカニズムはまだ完全に明らかにはなっていませんが、ピルの服用や妊娠などをきっかけに現れるケースが多いことから、女性ホルモンの変化が関係していると考えられます。
また、擦るなどの刺激によって悪化することもわかっているため、アンチエイジングなどを理由に念入りにスキンケアを重ねるようになる30代~から目立つようになるとも考えられます。
一般的なシミ(老人性色素斑)との違い
肝斑とよく混同されがちな加齢シミ、老人性色素斑とは、形状や発生メカニズムに違いがあります。
シミは一般的に、日焼けや加齢によりメラニンが肌に蓄積して発生し、形状がはっきりとした輪郭を持つことが特徴です。20代から現れることもあります。
対して肝斑は、境界がぼんやりとしており、特に左右対称の形で現れることが多いです。
肝斑と老人性色素斑は混合して現れていることも多く、肝斑もあることを見抜けないまま治療やケアを行うと、シミ治療の刺激によって肝斑が悪化する可能性があるため、まず正しい診断を受けることが大切です。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)との違い
もうひとつ肝斑と好発部位が似ているため間違えられやすいシミに、ADM(Acquired Dermal Melanocytosis=後天性真皮メラノサイトーシス)があります。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は肝斑と同じく頬上部に左右対称に出現しやすいのが特徴ですが、肝斑とは違い深層の真皮にメラニンが蓄積する現象です。
一般的には灰色~灰褐色に近い見た目で、茶褐色(明るい茶色)に近い色合いの肝斑とは見た目が多少異なります。また、ADMは20歳前後から現れることがあります。
専門家の診断なしに見た目で判断するのは難しいため、美肌の専門医の診察を受けて症状をはっきりさせた上で、治療プランを考えていくことをおすすめします。
肝斑が現れやすい人の特徴は?
肝斑は特に女性に多いという特徴があります。また、ホルモンバランスが変化しやすい30歳以降に現れやすく、経口避妊薬を使用している方、妊娠をきっかけに肝斑が現れたというケースも多いです。50代、60代になると自然と消えていきます。
刺激によって濃く悪化することがわかっているため、顔を擦ったり、スキンケアやメイクの際に何度も指を往復するクセがある方も肝斑が現れやすいといえます。
また、ストレスにさらされることが多い方も、ホルモンバランスが乱れ、肝斑ができやすいと考えられます。
加えて、紫外線の刺激も肝斑の引き金となるため、日常生活において注意が必要です。
肝斑が発生・悪化する主な理由
前述の肝斑になりやすい人の通り、肝斑の発症にはさまざまな要因が絡んでいます。
特に肌への刺激やホルモンバランスの変化が大きな影響を与えることが知られています。
肝斑のきっかけについてより詳しく解説していきます。
摩擦などの刺激
肌に対する摩擦や刺激は、肝斑の発生を招く要因として代表的なものとされています。
洗顔やスキンケア時に強くこすってしまうと、肌のバリア機能が損なわれ、メラニン生成が促進されることがあります。これが肝斑の発生・悪化につながるため、優しいスキンケアを心掛けることが大切です。強い摩擦を避け、肌に無理をさせないケアが求められます。
またマスクや寝具などの摩擦も注意が必要です。
ホルモンバランスの変化
ホルモンバランスの変化も肝斑が発生する大きな原因の一つとされています。
特に女性の場合、肝斑が現れる30代~40代は更年期の入口や妊娠など、ホルモンバランスが変化しやすい時期といえます。
またホルモンの変化を促すピルの服用も肝斑ができるきっかけになることがあります。
ストレス
人はストレスを感じるとストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」というホルモンを分泌します。これによってホルモンバランスが崩れ、肝斑の悪化につながることがあります。
紫外線
紫外線も通常のシミと同じく、肝斑の原因となる要因です。
特に夏場や日差しの強い時期には、紫外線によってメラニンの生成が促進されます。
肌を擦らないように注意しつつ日焼け止めクリームを使用したり、帽子や日傘を活用するなど、紫外線対策を強化することで、肝斑の悪化を防ぐことができるでしょう。
肝斑の治療が難しいと言われる理由
こうして多くの女性を悩ませる肝斑ですが、実は肝斑の治療は、セルフケアはもちろん、美容医療でも治す難易度が高いと言われています。
しかし正しく治療を行えば確実に改善でき、若々しい肌を取り戻すことは可能です。
まずはなぜ肝斑の治療が難しいと言われているか解説します。
肝斑は治療方法を誤ると悪化する可能性がある
肝斑の治療が難しいとされるのは、主に刺激によって悪化しやすく、間違った治療をすると逆に悪化してしまう可能性があるためです。
肝斑であると気がつかず、その他のシミと誤診して治療を開始してしまうと治るどころか刺激によって悪化してしまう可能性があります。
また、メラニンに対して強い効果がある治療は強い刺激を伴う場合が多いため、レーザーによるシミ取りのように一気にメラニン除去することが難しく、根気も必要になります。
肝斑治療で大切なのは、正しく診断し、適切な治療プランに沿って根気よく治療していくことです。
また、日々のスキンケアも肝斑を悪化させないように行うことが重要です。
シミが混在しているケースも
肝斑がある患者さまには、複数の種類のシミが同時に存在することが多く見受けられます。例えば、紫外線や加齢による老人性色素斑、そばかす(雀斑)、ADMなどは肝斑と同時に、あるいは重なって現れることは珍しくありません。
これらのシミと肝斑が混在することにより、治療方針が複雑化します。先ほど触れた通り、肝斑はシミ取りレーザーなどの強力な治療を行うと悪化してしまう可能性があるためです。
それぞれのシミに対して効果的な治療、治療するべき順番があるため、専門医による詳細な診断が欠かせません。
混在していることで、治療効果が薄まってしまったり、逆効果になってしまうこともあるため、個々の症状に合わせたアプローチが重要です。
まずは肝斑を見極めることが重要
肝斑の治療を開始する前に、まず肝斑そのものを正確に見極めることが重要です。間違った自己判断や、専門医でない診断によって、間違ったケアすると肝斑が悪化する恐れがあります。美容皮膚科での診断は、美肌の専門医の知識と経験に基づくため、信頼性が高いといえます。
美容皮膚科フェミークリニックは、2003年の開院以来、15万件以上ものシミ治療を行ってきました。
肝斑にお悩みの方はぜひ一度無料カウンセリングにお越しください。
経験豊富な医師が肝斑の見極めを行うことはもちろん、お肌の状態に合わせた最も適切な肝斑治療プランをご提案します。
フェミークリニックの肝斑・シミ治療
美容皮膚科フェミークリニックでは、通常のシミはもちろん、肝斑にも特化した治療を提供しています。
一般的な肝斑治療でご提案させていただいている治療プランを解説します。実際はお一人ひとりの肌の状態を丁寧に診察した上で、最適な治療法を提案します。
まずはレーザートーニングでメラニンを分解
肝斑治療の第一歩として、フェミークリニックではレーザートーニングをおすすめしています。
レーザートーニングとは、お顔全体にマイルドなレーザーを照射することでメラニン色素を分解・除去するシミ治療です。
シミ取りなどで使用するレーザーに比べてやさしいエネルギーであるため刺激によって肝斑が悪化しないという特徴があります。
刺激が少ないため他のレーザー治療に比べ痛みが少なく、ダウンタイムもほとんどありません。治療後すぐに日常生活へ戻ることができるため、忙しい方にも適した方法です。
肝斑の元となっているメラニン色素を徐々に分解し、肌のトーンを均一に改善する効果が期待されます。
レーザートーニングの回数と頻度
レーザートーニングによる肝斑治療は、個々の状態によって必要な回数や頻度が異なりますが、一般的には数回の治療が推奨されます。
フェミークリニックでは基本的に
1. 1クール目:1~2週間に1度×5回
2. 一ヶ月お休み(この間に、分解されたメラニンが代謝されます)
3.2クール目:約2週間に1度×5回
という2クール制のサイクルを推奨しています。
この計10回の治療を経て、効果の有無を確認し、追加で施術が必要かどうかを医師が診断していきます。
特に1クール目は週に1度が推奨であるため少し大変かもしれません。ただ、先述の通り肝斑は刺激によって悪化しやすいため、確実に治療するためには時間をかけてメラニンを分解する必要があります。
内服薬の併用
フェミークリニックの肝斑治療では、美容医療機器での治療と平行して内服薬も処方します。肝斑の治療で主に処方するお薬は以下の2種です。
シナール
シナールはいわゆる「ビタミンC」のお薬です。市販のものと異なり、「パントテン酸」というビタミンCの働きをサポートする成分が配合されています。
ビタミンCが持つ「抗酸化作用」「メラニンの生成抑制作用」によって、シミや肝斑の悪化を防いでターンオーバーによるシミ治療効果をサポートします。
トラネキサム酸
トラネキサム酸は人工的に作られたアミノ酸の一種で、メラノサイト細胞の活性化を促す「プラスミン」という酵素の発生を抑制します。
その抗プラスミン効果によってメラニン色素の発生を抑え、シミや肝斑ができにくくすることが期待できます。
ゼオスキンヘルスによるスキンケア
ドクターズコスメによるホームケアを取り入れることでも肝斑やシミの改善効果が期待できます。
ゼオスキンヘルスはアメリカで開発されたドクターズコスメで、トレチノインやハイドロキノンといった医療成分が、メラニンの生成を抑制し、メラニン色素の分解を助けます。
ドクターズコスメは、市販のコスメでは配合できない成分や高濃度の成分が配合されているため効果が期待できますが、その分間違った使用による副作用の可能性があります。
そういったトラブルを避けるためにも、また最大限の効果を得るためにも、専門医の適切な診断と処方が必要です。
自己判断での使用を避け、肌質や肝斑の状態に合わせた治療プランを専門医と決定するようにしましょう。
エレクトロポレーションの併用
レーザートーニングと併用することで肝斑治療効果を発揮する治療として「エレクトロポレーション」があります。
エレクトロポレーションは、皮膚に微弱な電流を通すことで、美肌成分を肌の奥まで浸透させる施術です。
この技術を利用することで、トラネキサム酸などの肝斑治療に有効な成分を効果的に取り込むことができます。
エレクトロポレーションを併用することで、肝斑治療の効果をさらに引き上げることが期待できます。
肝斑を発生させない・悪化させないために日頃できること
肝斑は専門家のもと根気よく治療を続ければ改善が見込めるシミです。しかし、せっかく治療に取り掛かっても、普段の生活で肝斑が悪化したり発生しやすい行動をしていると元通りになりかねません。
そこで、肝斑を発生・悪化させないために日頃から気をつけるべきことをご紹介します。
①肌を擦らないように注意する
肝斑は摩擦の刺激により悪化することがわかっています。日常生活において肌を擦らないように注意することは非常に重要です。
洗顔やクレンジングを行う、メイクをする際などは、特に肝斑ができやすい目の周りや頬骨、頬への刺激に気をつけましょう。
洗顔の際は指で擦らず、泡のクッションを使って優しく洗うことを意識しましょう。またタオルで顔を拭く際も、ゴシゴシ擦らずにそっとおさえるようにして水分を吸収することが大切です。
こうした小さな配慮の積み重ねが、肝斑の予防に繋がります。
また、顔のむくみ取りやクマ取りのために、目の周りや顔をマッサージすることを推奨するような情報に触れることがあると思います。
そういった指の腹を使って肌を擦るようなマッサージは、摩擦のダメージの蓄積に繋がり、肝斑だけでなく小じわやたるみのきっかけにもなるので、エイジングケアの観点からはおすすめしません。
②刺激の強いスキンケアは行わない
肝斑が気になる場合、スキンケア製品を選ぶ際は刺激の強いものは控えることが望ましいです。
クリニックでのアドバイスに基づいて優しい成分の商品を使用することが推奨されます。
刺激を避けることで、肌の状態を安定させ、肝斑の悪化を防ぐ効果が期待できます。
③紫外線対策を強化する
肝斑は通常のシミと同様、紫外線にさらされることで、メラニンの生成が促進され、悪化しやすくなります。
外出時には必ず日焼け止めクリームを使用することが重要です。また晴れた日の外出だけでなく、曇りの日や室内でもUV対策を心がけることで、長期的には肝斑の発生を防げる可能性があります。
④生活習慣の改善
生活習慣の改善は肝斑の予防にとって極めて重要です。特に、ストレス管理が健康な肌を保つ鍵となります。ストレスが溜まると、ホルモンバランスが崩れ、肝斑の悪化につながるおそれがあります。
日々に趣味の時間や適度な運動を取り入れることで、心身の健康を保つと共に、肝斑のリスクを低下させることが期待できます。
また栄養バランスに気を配った食事や、睡眠をしっかり摂ることも重要です。
これによりホルモンバランスが整うのはもちろん、ターンオーバーも正常化し、メラニンの滞留を抑えて排出するのを助けます。
肝斑の治療についてよくあるご質問
肝斑の治療についてよくあるご質問とその回答についてまとめました。
- 肝斑はどうやって治しますか?
- 肝斑の治療方法は、主に医療機関での治療と日常のセルフケアによります。
最初のステップでは、専門医による診断を受け、肝斑の状態を正確に把握することが重要です。治療には、メラニンの分解・排出を助けるレーザートーニングや内服薬の使用が一般的に用いられます。
レーザートーニングは、肌に優しい方法でメラニンを分解し、肝斑の改善を図ります。
また、トラネキサム酸などの内服薬は、メラニンの生成を阻害し、内側から美白を目指します。
これらの治療法を組み合わせることで、より効果的に肝斑を改善することが期待されます。 - 肝斑はレーザーで取れますか?
- レーザー治療はメラニンの蓄積に対して一定の効果がありますが、肝斑の場合はシミ取りレーザーのような強い刺激を与えると逆に悪化してしまうこともあります。
レーザートーニングのような肝斑治療に適切なレーザーを使用することで、肝斑を薄くすることができます。 - 肝斑は放置していても消えますか?
- 肝斑は50代~60代になると自然と消えることが多いです。
しかし30代~40代の好発年齢の間は、自然に消えることはほとんどありません。
むしろ、時間が経つにつれ、改善が見込めずに進行してしまうことが多いです。ホルモンバランスの変化や紫外線、摩擦などがメラニンの生成を促進し、肝斑を悪化させる要因となることがあるため、早めに対処することが望ましいです。
専門医に相談し、適切な治療を受けることで、肝斑の改善へとつながる可能性が高まります。 - 肝斑ができやすい人は?
- 肝斑は主に30代から40代の女性に多く見られ、ホルモンバランスが乱れやすい生活環境にいる方にリスクが高い傾向があります。
また、妊娠中や経口避妊薬を使用している方も、肝斑が現れやすいとされています。
さらに、肌への摩擦や紫外線よっても発生・悪化します。 - 肝斑はレチノールで悪化しますか?
- レチノールは肌のターンオーバーを促進する成分として知られていますが、肝斑が気になる場合は注意が必要です。肌質やレチノールの濃度によっては、レチノールに反応して肌が敏感になるためです。
特に肝斑が見られるか所に直接塗布する場合は、濃度や頻度に注意が必要です。美容皮膚科でアドバイスを仰ぎ、使用頻度や量を相談することを推奨します。
肝斑治療ならまずはフェミークリニックの無料カウンセリングへ
今回は適切な肝斑治療について解説しました。
肝斑は他のシミと混合して現れていることも多く、肝斑が混ざっていると気が付かずに刺激の強い治療やセルフケアを行うと悪化してしまう可能性があります。
まずは美肌の専門医の診察を受け、今お悩みのシミが肝斑か他のシミか把握することが重要です。
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